純粋なるもの
本2015.07.28(Tue)
心が洗われたなぁと思う時があります。
いつの間にかついた心の汚れがぽろっととれるような
それは不意に純粋なものに触れた時で
なにかに気付かせてくれるような一瞬
ふと見上げた夕日や1枚の絵、子供の笑顔
何気なく手に取った1冊の本・・・・
「男の中の男」とは何かを主人公に教わったという帯を見かけた時、
「ようし僕も男を磨いて、もう一花・・・(笑)」と中年男の心に火が点き、衝動買いしました。
読み進むにつれ、男の中の男という当初の目的は消え、
主人公を夢中で応援し、一気に読み終えた時、
「こころって、もともとはきれいなものだったんだなぁ」と気付きました。
それは、純粋なものに触れ、
わずかに残っていた自分の心の純粋な部分が呼応し、
周囲の汚れがぽろっと落ちたような一瞬でした。
少年の心まではいきませんが、時々は、純粋なるものの力を借りて、
こころも洗おうと思います。
トリツカレ男 いしいしんじ 株式会社新潮社