気分爽快(後編)

story

2016.02.09(Tue)

(前回の続きです)



便所の奥行きをいかに伸ばすか・・・


便所を広くすると、洗面所、洗面所の出入り口が狭くなります。
ギリギリのバランスを検討し、
1センチでもより広いスペースを確保できるよう
便器の位置等も㎜単位で検討しました。


内装は、ここに来るのが億劫にならないような、
用を足すだけではなく、心持もリセットできるような
狭さを超える心地よい空間にできないかなと考えました。


お施主様は、以前同様タイル張りを希望されていました。
小さいタイルを張ると、タイル目地で狭く感じると思いましたので、
大きめのタイルを選び、
心持をリセットするのにお家のインテリアとはあえて異なる
ホテルのトイレのようなイメージで仕上げました。


台所から洗面所に下りる際にある40センチ程の段差は、
お施主様が天井の圧迫感を感じないギリギリまで床の高さを上げ、
段差を18センチとし、階段1段分の登り下りを
日常のエクササイズ代わりに利用して頂く事にしました。


竣工後、一つ一つの動作を確認しながら利用頂くと・・・


「これはいい!


 広くはないけど、十分用も足せるし、雰囲気も気に入りました。
 うん、やっぱり思い切ってやってもらって良かった」


と聞き、張りつめていた緊張感がすーっと消え、安堵しました。


1か月ほどあとにお会いした際


「洗面所にも下りやすいし、
 生活の流れが良くなったというか、非常に楽になりました。
 やってもらって、本当に良かった」


とおっしゃられたお施主様の笑顔に清々しい心持を感じました。
BEFORE
  
台所から、一段下りて、洗面所。奥の扉を開けると、便所です。
AFTER
  
台所の床も張り替え、洗面の右手の扉を開けると・・・!