自分達らしく暮らすということ

はじめての家づくり

2013.03.26(Tue)

 

左京区の閑静な住宅街でにあるお家をリノベーションしました。

お施主様は、40代前のご夫婦と生後半年ほどのお嬢様の3人です。
購入した中古住宅で、お嬢様が巣立っていかれるまでの時間を大切に

3人で自分達らしく暮らしたいという要望でした。

 

お家を見学に行った帰り道、

「いま気づいたんですけど、リビング暗くないですか?」

ひと言ぽつりと奥様がおっしゃられました。

「あれだけいろいろ考えたのに・・・もしかして、私達失敗した・・・?

 私たちの思い描いた時間が、ここで本当に過ごせるの?」といった

こころの声が聞こえてきそうでした。

 

数日後の打ち合わせの時に、僕も同じ印象を受けたことをお伝えしたうえで

「3人で住まわれるにはかなり広いですから、2階南面にある1部屋を吹き抜けにして

一番長くいらっしゃるリビングに上から光を取り入れてはいかがですか?」

ご提案しました。

「えっ、せっかくある部屋を1部屋壊すの?なんかもったいなくない?」

ご夫婦ともにおっしゃられましたが、検討を重ねるうちに

「自分達らしい暮らしには、それがいい!」とご決断頂けました。

そして吹き抜けに面した2階の部屋に室内窓を開け

ご家族の気配を風にのせて家の隅々まで運ぶ案も取り入れて頂きました。
自分達らしく暮らすには、

自身の好みを反映させる事はもちろん大切ですが、

それだけでは十分とは言えません。
「ひとりじゃない」そこはかとなく繋がっている安心感のもと

「私たちはこれでいい」ご家族がリラックスできる空間の構成が大切だと思います。

 

出来上がってから数年後

奥様がご飯の支度をしていると、上から声が聞こえてくるそうです。
ママー、ミルクおかわりー♪