涼をもとめて 三十三間堂の巻
神社2017.08.01(Tue)
涼をもとめて、どこへ行こうか と考えると、
なぜか三十三間堂が頭に浮かび、行きました。
炎天下でしたが、水辺の風の心地よさに惹かれ
四条から七条までは鴨川沿いを歩き
現地に到着した時には、汗だくでした。
やや暗めの堂内に入ると、
前列に風神雷神像、観音二十八部衆像、
その後ろの階段状に組まれた壇上に
1001体のご本尊(十一面千手千眼観世音)がいらっしゃいます。
世の中の安寧を願い、整然と並んでいる姿に一瞬で心奪われました。
周囲の人々の会話や見るペースを気にしながらも
一体一体のご本尊を眺め、時には祈りながら進んでいくと、
同じように見えるご本尊も表情や体形の微妙な違いに気が付くようになりました。
よりじっくり拝見しながら進むと、
外から聞こえる蝉しぐれとご本尊、
そして自分だけがいるという1つの世界に浸りました。
すると、いつの間にか汗も引き、
来るまでに背負っていた日常で溜まる余計な想いもなくなり、
身も心も軽くなっていました。
本当に求めていたのは、気温の涼しさではなく、
猛暑すら涼しく感じる雑念のない心持ちだったのかもしれません。
軒の水平線が美しい建物の背面に惹かれます。