明治から令和 そしてこれから  前編

京町家リノベーション

2020.08.18(Tue)

 

閑静な住宅地にある京町家のリノベーションを行いました。

 

お施主様は、40代のご夫婦と中学生の息子様、

小学生のお嬢様とご主人様のお母様の5人です。

ご要望は、「子供達に自分の部屋を与えたいんです。

あと、今の家族の暮らしに合うように直したい。」とのことでした。

 

本建物は明治時代後期に建てられたと思われ、

「職住一体」という京町家の特徴をそのまま活かし

生業やご家族構成の変化に合わせて内外装を数回改装しながら

大切に住み続けてこられました。

 

令和という新しい時代

そしてこれからの未来に向かって

どういう在り方がこの家にふさわしいのか

打ち合わせを重ね、自身にも問い続けました。

 

内部はクロスや合板フローリングで改装されていて、

空間の構成も建築当初と異なります。

今までの延長線上で新しい歴史を刻むことも勿論出来ますが、

京町家であることや重ねてこられた時間も希薄に感じました。

今までと同じような手法では

砂上に楼閣を建てるようなものだと思いました。

 

一次的に満足頂けると思うけれど

新しい時代をいくつも超えてゆけるのか

 

一つの疑問が頭を擡げました        (つづく)

 

 

 

 

#佐野泰彦建築研究所