古民家との秋の一日

古民家リノベーション

2023.11.25(Sat)

ご相談頂いた亀岡市にある古民家。
もともとは、入母屋造りの平屋建てで、
昭和30年代初めに建て替えられた。

当時は戦後で、まだ平屋建てが建ち並んでいたと思うから
この地域にとってこの家は、
『2階建てのはしり』だったんじゃないかなと思った。
中2階部分には物置や部屋は無く、
外観を整えるために造ったそう。
そういえば、
五重塔とかも外観重視で、
2層以上に床はなかったなぁと思い出した。

下屋の軒裏は、出桁を腕木で受ける伝統的な形式だけど
留め方や材のサイズ等は、京町家とは違って、より力強い。
農家で軒を深くするための工夫かもしれないけど、
隣接する京都市に建ち並んでいた町家の影響かもしれない。

外観重視のお仕事ぶりから、
もしかして、寺院等を手掛けた大工さんか?
どんな大工さんが建てたのか妄想が止まらない!

古民家の楽しみは、建物の特徴や
そこはかとなく当時の作り手の思いを読み取るところで
そこを起点に「どう活かすか」「なにを受け継ぐか」を
検討します。

お施主様には、駅まで車で迎えに来ていただいて
『薪窯ピザ庵えん(↑写真)』でご馳走になった秋の一日

 

佐野泰彦建築研究所
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