時間旅行

探訪

2015.02.24(Tue)


鞍馬口通り知恵光院を東に入ると
登録有形文化財である『旧藤ノ森温泉』があります。
現在は、銭湯を改装し、飲食店として営業されています。
正面入り口に設けた『唐破風』は、
宮大工が創ったような意匠で『宮型』と言われ、
豪華絢欄だった内部を想像させます。
建築主は、同じ通り沿いにある『船岡温泉』の初代当主と言われており、
意匠的にも類似点が多く、
建築当初は、『大衆浴場』というより『料理旅館』的な要素を
色濃く感じます。
外から見るだけでも、
現在の自転車置き場も当初は唐破風にふさわしいお庭があったのではとか、
2階にある和室で湯あがりに西陣の若旦那衆がくつろいだのかな
といった光景も想像する事もでき、
現代と当時を行ったり来たりする『時間旅行』を楽しめるのが、
時代を超えて生き続ける建物ならではの魅力と言えます。


 
左:旧藤ノ森温泉(さらさ西陣) 右:船岡温泉