通じ合う瞬間

現場から

2015.06.02(Tue)

以前お水廻りを改装させて頂いた方より、
今度は居間の改装を頼まれ、着工しました。
解体初日、隅柱の蟻害や床下のずさんな工事状況が明らかになり、
「シロアリの出た部分は10数年前に直したところやから、
当時の大工もわかってたはずやのに・・・
床下のひどいのは、素人がみてもわかる。30年前だったら、こんなもん?」
と聞かれ、
「事情はわかりませんが、
今ならまだ間に合うので、わかって良かったですね。」と返答し、
蟻害にあっている隅柱は根継ぎをし、土台も一部入れ替えました。
後日お会いした際、
「柱を根継ぎしてもらったら、
2階の床のフワフワした部分がしっかりしたし、
扉を閉めた時に反響音とかもあってんけど、それもおさまってん。
よかったわー。
直してやれば、この家もまだまだ大丈夫ってことやんな。
今、75歳やし、これで最後かなと思っていたけど、
これやったら次は、表の間かそれか・・・」とおっしゃられていました。
家は家なりに不具合のサインを発信し続け、
思わぬ形で施主と通じ合う事が出来ました。
なにげない施主の一言からは、家への愛情を感じ、
単なる生活の場としての役割を担い続けた家が、
家族の一員になった瞬間かもしれません


柱の根継ぎです。
蟻害にあった部分を取り、新しい材を添え、
新旧一体となった柱が、これからお家を支えます。