慈しむ心(2)

現場から

2015.07.14(Tue)

(前回の続きです)
今選ばれているトイレの手摺は、セオリー通り、L字型です。
窓との関係で垂直方向が60センチしかなく、
「背の高いご主人様が、座ったり、立ち上ったりする際、
使いにくいのでは?」という疑問が湧き、
「むしろ、I型の長い縦手摺の方が、いいのでは?」と思いついたので
現場監督さんにお施主様と再度検討頂くよう伝えました。


後日、「L字型手摺を予定より上に取り付ける事で、了解頂きました。」
と報告を受けました・・・
L字型手摺の取り付けを通常位置より上につけると
水平部分が邪魔になるのでは?という疑問が再び湧きましたが、
お任せしたお仕事なので、これ以上関わるのも気が引けました。
両者が打ち合わせの上で決めた事なので、大丈夫だろう
と強く言い聞かせ、この件はこれで終わりにしました。


後日、別件でお施主様とお会いした際、


「あれから主人の動作を見てるんですけど、


病院では、I型の長い手摺を上手く使って、用を足しているんです。
言ってもらった感じで、縦手摺でいいよね?」とご相談頂きました。
そこで、奥様にご主人様になりきって頂いて、便所での動作を
実演して頂き、確認しました。
手摺の取り付け位置は窓と干渉するので、
「手摺の長さは、どうするのがいい?」と聞かれ、
背格好の似た私が今度は御主人様になりきり、便所での動作を行いながら、
「ご主人様は背も高く、腕も長いので、
立ち上る際は、上の方を持った方が力を入れやすいと思います。
窓ぐらいの高さでつかめるところが出来た方が
立位も保ちやすいかもしれませんね!」とお答えすると、
「じゃぁ、窓上まで手すりを伸ばして下さい!!」
と即決されました。
それを施工会社に伝えましたところ・・・(つづく)