京町家の真価

徒然なるままに

2016.03.22(Tue)

京町家の調査に伺った時、
「この町家、直して残す価値あります?」
と 所有者さんより聞かれました。



「町家は、一軒ごとに特徴も異なり、


 表構えに特徴があるもの、


 周囲の町家と力をあわせて景観を構成しているものもあれば、


 内部の間取りや空間構成が建てられて当時のままで生活状況がわかるもの、


 建てられた当時の主人の想いが顕著に表れた造りのものや、


 長年住んできた家族の愛着が詰まっている等価値はさまざまです。


 ただし、どれだけ素晴らしい価値があっても、
 それらに価値を感じるか感じないかは、
 ご覧になる方によります。


 言い伝え等ご存知の事を教えて頂きながら、
 当家にどんな良さがあるのか、
 どんな点にご不安を感じられているのか等もあわせて整理した上で、
 残すか残さないかの決断をされてはいかがですか?」
 と 返答すると


「なるほど、たしかにそうですよね!
 できることなら、本当は、つぶしたくないんです。
 せっかく残っているし、
 近所でも焦って壊すんじゃなかったとか
 町家はぜったい残さないと!って聞いたりもしたんですけど・・・
 でもどこがいいのかもわからないし、損もしたくないし、
 そういえば言い伝えで・・・」
と 少しずつ自分なりの答え探しが始まります。


目先の損得勘定や一時期の価値観だけでは、
我々より長く生き続けてきた町家の本当の価値は
わからないかもしれません。


次世代まで考慮した


その方なりのより良い答えを望みます。