くらしの音

徒然なるままに

2016.08.09(Tue)

朝6時、上階の方のかける掃除機の音で目を覚める事が、日課になりました。
引っ越してこられた当初は、
うるさい、何時だと思ってるの?非常識・・・
といった怒りの気持ちが芽生え、どう対処すべきかを考えていた時もありました。
いろいろな気持ちや考えが浮かぶ中、
なぜか実家での暮らしを思い出しました。
実家は築100年ほどの町家で、
1階に居ても、2階の人の動きは、ミシミシとなる床の音でわかります。
階段を下りてくる足音で、急いでいるかどうかもわかりましたし、
兄が受験勉強の頃、テレビの音がうるさくて勉強できないと
ドンドンと床を踏み鳴らす兄の足音を合図に、テレビの音量を小さくしたあの頃。
今思うと、プライバシーといった明快な区分けもなく、決して快適とはいえなかったけど、
相手を気遣う、思いやる気持ちを育み、家族の繋がりを実感する
豊かな暮らしを過ごしていたような気がします。
それからは、上階の人の生活パターンを想像し、
「こんなに朝早くから掃除機をかけないといけないなんて、大変だな」とか
「今日も御苦労さま、いってらっしゃい」
とつぶやき、2度寝も出来るようになりました。
技術の進歩により、階下への音も低減され、
世の中が謳う「静かで快適な空間」は提供されるようになりましたが、
音にまつわる近隣トラブルは、増加しています。
快適さ、豊かな暮らしは、
技術で勝ちとったり、数値で表せるものではなく、
家族や近隣といった自分の周囲を理解する、思いやる気持ちの上に育まれるものなのでしょう。
今週もお互い素敵な1週間になるといいですね!