住み続けるということは 今と未来を繋ぐこと (前編)

京町家リノベーション

2013.09.03(Tue)

町家
京都市下京区の閑静な住宅地で、写真の建物のファサードをリノベーションしました。
現在お住まいになられているご家族は、70歳前半のご夫婦とお嬢様です。
大正時代の頃から代々住まわれ、

今から約50年前、ご主人様がご結婚される際購入し
当時流行していた腰壁と竪格子のデザインに改装されました。

お子様の成長や時代の流れに準じて気になるところを少しずつ手を入れながら、

大切にお住まいになられてきましたが、

外装の傷みもあり、ご夫婦が金婚式を迎えられる前に着工する事になりました。
要望は「自分達に似合うような家で、いい感じにしてほしい。

流行のサイディングを張ったり、

見違えるような洋風の家になってもいいからお任せします。」との事でした。
当家は大正の頃から建っており、

昭和初期に流行した意匠も残っている京都の町家です。

「今風の洋風にもできるが、本当にそれでいいのか?」
「後世の方に今のご家族の想いを遺せないか?」

2つの思いが私の中に浮かびました。   (つづく)