住み続けるということは 今と未来を繋ぐこと (後編)
京町家リノベーション2013.09.10(Tue)
(前回の続きです)
検討した結果、
建物の特徴といえる竪格子と腰壁の構成の
伝統的な意匠構成を受け継ぐことにしました。
古くなった材を取りかえ、
耐震性の向上とより長くお住まい頂けるよう思いを込めて、
左寄りに柱を1本立てました。
また、建築当時通りの端まで隣家と共に連なっていた
軒先の水平線を彷彿させるには
2階は焼杉板を縦張りにし、
通り庇、2階の大屋根の水平線をより強調しました。
1階部分は道行く人の目線・印象を考慮し、
周囲建物と近い色彩で仕上げ、町並みの連続性に配慮しました。
伝統的な構成を継承しながら、
新しい技術、製品など現在のエッセンスを加える。
それは1軒の家を大切に住み続けるからこそ出来る事であり、
意匠の継承のみならず、
家、家族への先達から現在の主の想いをのせて後世に伝えます。