ガッテン・ガッテン ―どうして景観を守らないといけないの?―

徒然なるままに

2014.05.20(Tue)

友人と飲んでいる時、
「京都って、景観のこと厳しくなったんやろ?なんで景観って守らなあかんの?」
と聞かれ、ほろ酔いのいい気分の時に難しいこと聞いてきて!と思いつつ・・・
頭をフル回転させ、
「建物の外観は、所有者の想いの現れで、景観は、その家やビルの集まり。
身近なモノに置き換えると・・・
お隣や地域との見えない絆が、カタチとなって現れているのが景観で、
それぞれの所有者の地域との手のつなぎ方の現れと思うよ。
例えば、近所付き合いが活発だった昔は、軒を連ねていた。
これってラグビーのスクラムを組んでいるように見えへん?
好き嫌いは別にして、団結心の強さを感じるよ。
また、町家が密集している中に大きいビルが建っているのは
ハイハイ歩きの赤ちゃん100人の中に、
僕みたいな大男が仁王立ちしているように見えへん?
赤ちゃんは、成長して背が伸びた時、いつか手を繋げる日がくるけど、
町家の背が伸びる事は、ない。
そこで、背の高い大男は、赤ちゃんと手を繋ぐためにしゃがむ。
最近、ビルで、町家の大屋根や通り庇の高さに庇を付けるのは
こういうことかなと思うよ。
時代の変化に応じて、付き合い方も昔の通りにはいかないけど
それぞれの地域ごとに緩やかでも新しい手のつなぎ方で、繋がりませんか?
というのが景観の根本的な考え方で、
その手の繋ぎ方として、色や屋根材、屋根のカタチとかを決めていると思うよ」
答えると
「とにかく守らないと!とか景観ってなんか難しいって思っていたけど、
ようは、ご近所付き合いなんやな!」
とガッテン・ガッテンしてくれました。

 つつじのきれいな季節になりました。