新旧の対話

探訪

2014.08.05(Tue)

写真は、京都国立博物館にある明治古都館と今秋オープンする平成知新館です。
時代を超えて、二つの建物が対峙しています。
明治古都館は、宮廷建築家・片山東熊の設計で、明治28年(1895)に竣工し
同30年に開館しています。ネオルネッサンス様式で、当時はこの西洋風の意匠は
京都に馴染まないと言われ、反対運動もあったそうです。しかし、日本全体としては
西洋に追いつき、追い越したいという気風が強かったので、最終的に採用されたと
思います。
平成知新館は、南門とあわせて、谷口吉生氏の設計で、京町家をモチーフにされた
らしく、京町家の保存再生といった世情を汲み取った洗練された建物となっています。
古都館は、西門・噴水・考える人・明治古都館をまっすぐな東西軸上に配しているのに対し
知新館は、古都館前の通路を活かし、南門より北へ一直線にアプローチを伸ばしています。
意匠は違えども前者を敬い、一直線上で建物と門をつなぐ姿勢は、受け継がれているように
見えます。
時代や構成を読み解くと、建物同士の声も聞こえてくるような気がします。
はじめまして・・・
今は、そういう時代になりましたか・・・?