茶の心(前編)
探訪2018.03.13(Tue)
久しぶりの休日に、奈良にある慈光院に行く。
行ったことのないところに行くというのは、自然と心が躍る。
駅について、次のバスまで30分余り。
それだけ待つぐらいならと大雑把な地図を頼りに歩いて目指す・・・
時折、地図にはない工場やゴルフ場沿いを歩くが、
大雑把な地図だから載っていないのだろうと気にせず歩いていると
知らない駅を見つけて、地図に目をやる。
完全に別方向に歩いていたのだ。
急いで駅に戻る。往復1時間歩いた。
次は素直にバスに乗る。
難なく、慈光院一ノ門へ辿り着いた時、
この建物を見るには、自分の心が気負いすぎていたのかもしれないな
自身を慰めながら、門と対峙する。
柱、梁に対する屋根のサイズ、開口部と壁面、
門を構成するそれぞれの部材の絶妙なバランスと
直線で造られたスキのない美しさ
奥で待ち受ける茶室や書院への期待が膨らむと同時に襟を正したくなった。
これから片桐石州と対面するような
やや緊張感を持ち、門を潜る。
「どうぞ奥へ」
年少の僧に案内されているかのように
こもれ日のさす参道を
通り抜けていく風や小鳥の鳴き声を味わい愛でながら
一足ごと何かを確かめるように歩いた。
臨済宗大徳寺派 慈光院 一ノ門