太陽と月と(前編)

はじめての家づくり

2018.04.17(Tue)

 

「冬の寒さが厳しいので、リビングとダイニングキッチンを床暖房にしたい。

洗濯機が屋外なので、家の中に入れたい」

60代のご夫婦から相談を受けました。

 

数年前、引越して来られる際にリフォームされています。

「限られたスペースの中で、リビングと

ダイニングキッチンのスペースをそれぞれ確保しました!」

空間から伝わってくると同時に閉塞感のようなものが漂っていました。

 

南面に配置されたキッチンのシンクと吊戸棚との間の窓の高さが低いからか、

リビングスペースにある南面の出窓が小さいからか、

空間に対する窓のサイズと配置が気になりました。

 

もちろん今の状況のまま床暖房にして、

リビングかダイニングキッチンのいずれかに洗濯機を置ければ、

要望を満たすことになりますが、それではお施主様は幸せにはなりません。

 

要望は建築を考えるきっかけにすぎず、

その要望の向こう側に叶えるべき問いが隠れているからです。

今よりも冬の寒さをやわらげ、

春夏秋も心地よく暮らしていただくには、どうすればいいのだろう。(つづく)

 

 

 

 

#佐野泰彦建築研究所