夏の風 

日々の暮らしの中で

2018.08.07(Tue)

 

夏になると  机の窓に簾を掛け  扇風機を出す

建物の構造上、図面を描く場所にエアコンが付かないからだ

このやり方で夏を乗り切ってきたけど

今年のハンパない暑さには

何かが足りないと思っていた矢先

同じ環境下でも聞こえてくる音で  体感温度が変わることをテレビで知った

急いで風鈴を買いに行く

 

店先にガラス製で金魚の絵の描いた風鈴が飾られていた

いかにも涼しげだけど、いつか割ってしまいそうな不安を感じ

他のはないものかと店奥へ進むと

「私は、いかにも風鈴です」と言わんばかりに

南部鉄で出来た吊鐘型の風鈴と出会う

渋い、渋いなぁ

これなら割れることもないし

1年ごとの鉄器の変化も楽しめそう

試しに鳴らしてみると

キーンと鉄器ならではの透き通った曇りのない音

これに決めた!

 

風の気まぐれで、キーンキーンと音が鳴る

時には強弱をつけて

 

 

 

#佐野泰彦建築研究所