曲がり角の先に

ある1日

2018.11.13(Tue)

 

「見積金額が自分の予想をはるかに超えた時、

もう無理かなって、諦めるしかないかなって正直思ったんです。

でも諦めなくてよかった。いよいよ着工ですもんね。」

ご主人様は、今までの打ち合わせを振り返りながら、

これから形となってこの世に生まれる一つの空間へ

思いを馳せていらっしゃいました。

 

こうなったらいいなぁ

と当初描いた夢がそのまま叶うことは、悪いことではないと思いますが、

ご家族にとっての幸せに繋がるかどうかは、別問題です。

これが叶ってくれさえすれば、私たちの家は最高なんですという夢は、

一時的な思い込みに過ぎないかもしれないからです。

 

やっぱり私達には無理かなと思う時も、

定期的に打ち合わせや検討を続け、自分達の望みをより明確にしていきます。

「もうこれ以上は、なにも思い浮かばない。思いは、全部しゃべりきった」という時に

本来の望みは、ゆるぎない基本計画となってぽっと顔を出してくれます。

そして、希望の灯で、施主の足元を照らし、着工へ導いてくれます。

 

もし、家づくりが上手くいかないとお感じになられていたら、

それは決して悪いことではありません。

今一度、歩んで来られた道を振り返り、

時には方向を修正しながら進んだその先に、

自分達の想像を超えたご家族にふさわしい家が、きっと待っています。

 

 

 

#佐野泰彦建築研究所