雪沼とその周辺
本2021.01.07(Thu)
雪沼の周辺を散策しながら住人の人生の甘苦を垣間見ると
もし自分が住人の一人なら人生のどのシーンを切り取られるのだろうと想像する。
・妻の手作りコロッケにケチャップをたっぷりつけて食べたある日の晩ごはん
・現場監督をしていた頃、汚れたスニーカーを見た義理の祖母が
これで靴を買ってあげてと妻にこっそり5千円を渡してくれたあの日
・年賀状で今年こそ飲みに行こうと書き続け、10年ぶりに再会した友との酒席
・緊急事態宣言中のレジの人との何気ない会話
・未来の最後に建てる家の話
表紙の家の佇まいに心惹かれて読み始めただけだけど
人生って何だろうと改めて考える。
はかりにかけられない日常と非日常
どちらも愛おしく思う。
雪沼とその周辺 堀江敏幸 新潮文庫