9回目の夏

それから

2021.08.26(Thu)

 

お盆休みに

以前建てたお施主様宅を尋ねた。

お家に着いてインターホンを鳴らす前に

しばらく外観をじっと眺めた。

 

板が少しずつ色あせてきて

今年で9回目の夏を迎えた。

 

1階は鍼灸院で、2・3階が住宅

 

すごくひかえめなお施主様だったから

板張りの外観には

当初、難色を示されていたけれど

あたらしい町ではじまる

開業と暮らしにはこれぐらいがいいとお話したことや

あの時の僕は、1つの風景をつくりたかったことを思いだす。

 

北山通りからT字の交差点を北へ入ると

山に向かって一直線に道路が延びていて

少し遠くに

みんなの目印になるような

木の家がポツン見えて

 

「木の家が見えたら次の交差点を・・・」

「木の家が見えてきたら、うちまでもう少し」といった感じで

ご近所の方にも馴染みのある風景にしたかった

 

いい感じに年を重ねてきたなぁと眺めていると

定時になったのか、ご主人が玄関から出てこられた。

「いつも時間ちょうどに来られるから。

 もしかしてもう来られているかなと思って」と。

 

1年ぶりぐらいの再会だったけど、

挨拶もほどほどに

二人で少し眺めていると

待ちかねた奥様が呼びに来てくれて

ようやく中に入った。

 

石田鍼灸院:http://ishidashinkyu.net/

 

 

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