ある画家の別荘(前編)

古民家リノベーション

2022.11.24(Thu)

ある画家の別荘の改修設計の依頼を受けた。

 

敷地は、

京都市下京区の寺と住宅が混在する

閑静な場所にあり、

高さ2Mほどの塀で囲われていた。

周囲には大きく育った木々が茂り、

建物は、道路からケラバが少しみえる

ひっそりとした佇まいだった。

 

1960年に建てられた木造平屋建で、

数寄家建築をベースに

和洋折衷を試みた大工の意志も見てとれた。

ちょうど東京オリンピックが決まった頃で、

世の中の勢いを感じさせた。

また画家、施工者、作庭家共著名な方々で、

歴史的由緒もしっかり揃っていた。

 

画家がお亡くなりになった後は、

知人夫婦が譲り受け、

借家として長年使われた後、

現在はご子息の住まいとして使われていた。

 

ご両親からは、

現存する建物への愛着を感じる部分や

画家との思い出を、

 

ご子息からは、

別荘ならではの住みにくさや

個室に分かれた3室を

今風にワンルームにする案等

ガラッと変えたいとお話をお聞きした。

 

玄関はあまざらしで、屋外で靴を脱ぎ、

50センチほどの段差を一気に

室内の「取次の間」へ上がる。

玄関の横には浴室の大きな窓が面していた。

 

中廊下は

ガラス建具越に入る関節光のみで日中も暗く、

 

台所は居間から4.5Mほど離れていた。

居室は南面に3室あったが個室であった。

 

お手伝いさんを連れてきていた別荘を

住居として住みこなすのも

一苦労だなと思った。(つづく)

 

 

玄関と浴室窓           中廊下

 

 

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