あかるいほうへ
あかるいほうへ
あかるいほうへ
あかるいほうへ
あかるいほうへ

DK着工前

あかるいほうへ

寝室着工前

あかるいほうへ

京都市南区・リノベーション
設計~現場打ち合わせ期間:5か月

京都市南区の閑静な住宅地で改装しました。

80才にもなって、まさか、また家をなぶるとは思わんかったなぁ。階段も急で夜中下りるのも怖いしね・・・そろそろ1階で寝ようかと思って。」お施主様と初めてお仕事をさせて頂いたのは7年前で、今回で3回目のご依頼になります。ご要望は、玄関横の洋室を寝室にすることとダイニングキッチンの内装をきれいにやり替えたいとのことでした。洋室とダイニングキッチンの間には便所と階段があり、寝室予定の洋室は、日常空間から少し孤立しているように感じました。一人暮らしの場合、家の隅々まで気配を感じた方が、安心してお暮しいただけるのではないかと考え、廊下からだけでなく、キッチンからも寝室に行けないかと考えました。便所奥にある洋室側の収納と階段下スペースを一つにまとめて『ウォークスルー収納』を提案しました。それは、通路兼用のクローゼットで、片側に枕棚とハンガーパイプを設置し、反対側は、ダイニングキッチンから洋室に行き来できる通路として利用し、キッチンと収納の間は引き込み戸で開閉もできます。これにより、洋室の南窓→ウオークスルー収納→ダイニングキッチンを通って居間にある北窓までの風の道もでき、今までよりも快適に暮らすことが出来ます。また、日中いらっしゃる居間から洋室の南窓までの7Mほどの距離感は、コロナ禍の自粛生活による閉塞感を打ち破ってくれることも期待しました。「これからの人生が、よりあかるいほうへ進みますように」と願いを込めて。

別れ際「まぁもう頼むこともないやろう。」お施主様はすがすがしい笑顔で、竣工に満足されていました。少し寂しく感じた僕は「まだ、廊下と便所、玄関が残っていますよ」と冗談交じりに返答し、あとにしました。