暮らしに潤いを

京都市南区の閑静な住宅地で水廻りをリノベーションしました。

お施主様は、同時期に建てたお隣が水廻りを直されたのをきっかけに、「将来を考えて、元気な間に自分も直しておきたい。」とご相談頂きました。工事の範囲は、水廻り棟にある浴室と洗面脱衣室です。脱衣室は、洗面・脱衣以外に、庭を挟んで北側にあるお店に行き来する通路の役割を持っていました。洗面、脱衣、時には通路として、その時々の気分をリセットできる空間であれば、生活に良いリズムが生まれると考えました。そこで、この部屋は、洗面や洗濯機という機能に合わせて内装を選ぶのではなく、居間の土壁と程よい変化があり、お店でも体験できない空間を創ることを優先し、そこに洗面台や洗濯機を置くことにしました。それは、優しい香りを放ち、月日が経つにつれて味のある表情へ変化する無垢材で囲われた空間で、床には桧、壁面と天井には調湿作用のある桐材を選びました。

建具等は再利用して以前からの暮らしの名残を程よく残しましたが、建具の枠を 床から天井まで伸ばし、天井をより高く感じる工夫をしました。木で出来たトンネルのような空間は、日々の暮らしに潤いとなるような変化を与え、お施主様がより一層お元気にお過ごし頂ける事を願います。