Second Life いまから ここから

京都市下京区の閑静な住宅地で鉄骨造3階建をリノベーションしました。

二所帯住宅で、親世帯の生活基盤を2階から1階へ移し、2、3階を子世帯が使う計画だった。親世帯の要望は2階で生活していた時の広々とした開放感だったが、1階には屋内駐車場があるため、2階より床面積が狭く、窓から見える景色もずいぶん変わる。その条件下でいかに開放感を得るか、「こころ穏やかに開放感もある、第二の人生にふさわしい空間」を主題に設計に取り組んだ。

部屋に入る光の量、聞こえてくる周囲の音、空間のボリューム（広さ×天井高さ）において対照的な2室をつくり、通路とウオークインクローゼットでつないだ。静謐感のある寝室をつくることで、リビングに開放感を与えようという試みで、寝室は北東角で道路から見えないプライベートな裏庭に面し、空間はL・D・Kの半分ほどに抑えた。L・D・Kは前面道路の南側とし、寝室よりも天井高さを上げ、光を招き入れる大きな横長窓を設けた。また屋内駐車場と隣接しており、帰宅した家族の気配もわかる。竣工後、寝室から廊下にある便所へ行ける出入口を設けたことで行き止まりのない回遊性のある動線となり、より開放感が増した。

リビングに建てた丸柱にはリビングとダイニングをゆるやかに仕切るだけでなく、これから始まる新しい暮らしの時を刻んでいく、家のシンボルになることを期待している。